私は昨年の健康診断の後、生涯忘れることのできない最悪の週末を過ごすことになりました。バリウム検査を終えて帰宅し、渡された下剤を飲んでから数時間後、案の定トイレで白いバリウムを排泄しました。しかし、何度水を流しても、便器の底にへばりついた真っ白な塊はびくともしません。疲れていた私は、「まあ、一晩置いておけば水にふやけて少しは柔らかくなるだろう」と安易に考え、そのまま就寝してしまいました。これが、後戻りのできない過ちの始まりでした。翌朝、期待を込めてレバーを回しましたが、水は渦を巻いて流れるだけで、白い塊は昨日よりもさらに白く、そして硬く、陶器の表面に同化しているように見えました。焦ってブラシで擦ってみましたが、まるで石を擦っているような感覚で、表面がわずかに削れる程度です。さらに悪いことに、水を流しすぎたせいで水位が上がり、排水が極端に遅くなっていました。どうやら、目に見えないトラップの奥でもバリウムが固まり、空気の通り道さえも塞いでしまったようでした。その日の午後は、インターネットで必死に解決策を探し、ぬるま湯や洗剤を試しましたが、時すでに遅し。放置されたバリウムは完全に「岩」と化しており、我が家のトイレは完全に機能を停止しました。結局、日曜日の夕方に緊急対応の水道業者を呼ぶ羽目になり、作業員の方が二人がかりで便器を取り外し、配管の奥で固まったバリウムを物理的に砕くという大掛かりな作業を三時間以上見守ることになりました。請求された金額は、休日料金も含めて五万円を超え、私のひと月分のお小遣いは一瞬で消え去りました。作業員の方から言われた「バリウムは放置したら石になります。流れないと思った瞬間に呼ばないとダメですよ」という言葉が、今でも胸に突き刺さっています。放置するという選択が、これほどまでに高い代償を払うことになるとは夢にも思いませんでした。健康診断で自分の体の異常をチェックするはずが、不適切な対応のせいで家の排泄システムの致命的な故障を招いてしまった。この悲劇から私が学んだのは、バリウムの重さと硬さを決して侮ってはいけないということです。今では、バリウムを飲んだ当日は、トイレが完全に空になるまで何度も確認し、少しでも残っていればその場で徹底的に処理することを自分に課しています。
健診後のバリウムを放置して起きた悲劇