私は、数年前の健康診断の後に犯した「放置」という過ちを、今でも深く後悔しています。バリウム検査を終えた日の夕方、自宅のトイレで用を足した際、便器の底に真っ白なバリウムが残ってしまいました。何度かレバーを回しましたが、白い塊はびくともしません。仕事で疲れていたこともあり、私は「水に浸かっていればそのうち溶けるだろう」と根拠のない楽観視をして、そのまま放置して眠りに就きました。翌朝、トイレに行ってレバーを引いた瞬間の衝撃は忘れられません。水は流れるものの、バリウムは昨日よりもさらに強固に、まるで便器の一部になったかのように白く光っていました。ブラシで力いっぱい擦っても、表面がわずかに削れて白い粉が舞うだけで、塊自体は微動だにしません。そのうち水位が上がってきて、排水が極端に遅くなり始めました。目に見えない配管の奥でバリウムが固まり、道を塞いでしまったのです。パニックになった私は、市販の強力な洗浄剤を流し込みましたが、無機物であるバリウムには全く効果がありませんでした。結局、その日の午後に緊急対応の水道業者を呼ぶことになりました。作業員の方は私のトイレを見るなり「あちゃー、放置しちゃいましたね」と一言。結局、便器を取り外して、裏側に詰まったバリウムを物理的に砕き、さらには配管の奥まで高圧洗浄機を突っ込んで清掃するという大手術になりました。作業は三時間以上に及び、最終的な請求金額は、休日料金と特殊作業費を合わせて五万八千円。健康診断が無料だっただけに、この出費はあまりにも痛いものでした。作業員の方から「バリウムは放置したらコンクリートと同じです。水に溶けることは絶対にありません」と教えられ、自分の無知を呪いました。あの日、少しの手間を惜しんで放置した自分に、今の私なら「今すぐ洗剤とぬるま湯を持ってこい」と怒鳴りつけたい気分です。これから検査を受ける方には、私の二の舞になってほしくありません。流れないバリウムを放置することは、トイレの寿命を縮め、家計に大打撃を与える行為です。少しでも残っていれば、その場で徹底的に戦い、流しきってください。
トイレに居座るバリウムを放置して数万円の修理費を払った体験談