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洗濯機だけじゃない?家全体の水が出ない「断水」との見分け方
洗濯機の水が出ないというトラブルに直面した時、私たちはつい、洗濯機本体の故障を疑ってしまいがちです。しかし、その原因は、あなたの家の洗濯機ではなく、もっと大きな範囲、つまり建物全体や地域一帯で発生している「断水」である可能性も、十分に考えられます。洗濯機の修理業者に連絡する前に、まずは問題の切り分けを行うことが、無駄な出費と時間を省くための、非常に重要な第一歩となります。その見分け方は、驚くほど簡単です。洗濯機の水が出ないことに気づいたら、まずは、家の中にある他の蛇口をひねってみてください。例えば、洗面所の蛇口、キッチンの蛇口、お風呂のシャワーなどです。もし、これらの場所からも全く水が出ないのであれば、その原因は、ほぼ間違いなく洗濯機の故障ではありません。家全体への水の供給が、何らかの理由でストップしているのです。家全体で水が出ない場合、次に確認すべきは、その断水が自分の家(部屋)だけなのか、それとも近隣の家も同様なのか、という点です。マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、まず、建物の掲示板やエレベーター内に、貯水槽の清掃や水道管のメンテナンスに伴う「計画断水」のお知らせが掲示されていないかを確認しましょう。うっかり見落としていただけ、というケースは非常に多いです。もし、お知らせがなく、他の部屋の住人と話せる状況であれば、同様に水が出ないか尋ねてみるのも有効です。戸建て、集合住宅を問わず、次に考えられるのが、水道局による「緊急の断水」です。近隣で水道管の破裂事故などが発生し、その復旧工事のために、一時的に水の供給が止められている可能性があります。この場合は、管轄の水道局のウェブサイトに、断水情報が掲載されていることが多いので、スマートフォンなどで確認してみましょう。そして、意外と多いのが、「水道料金の払い忘れ」による供給停止や、長期不在にする際に閉めた、あるいは何かの拍子に閉まってしまった、家全体の「水道の元栓」の閉め忘れです。水道の元栓は、戸建てなら屋外のメーターボックスの中、集合住宅なら玄関横のパイプスペースの中にあります。このように、洗濯機の水が出ないという一つの症状から、原因を冷静に切り分けていくことで、本当に取るべき次の行動が、自ずと見えてくるのです。
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そのペーパー、詰まりの原因かも?トイレットペーパーの賢い選び方
頻繁にトイレが詰まるという悩みを抱えているなら、一度、普段使っている「トイレットペーパー」そのものを見直してみる必要があるかもしれません。肌触りの良さや価格だけで選んでいませんか? 実は、トイレットペーパーの種類によって、その「水への溶けやすさ」には大きな差があり、詰まりやすいトイレにとっては、ペーパーの選択が死活問題となることさえあるのです。トイレットペーパーは、JIS規格によって、水中でほぐれやすいように作られていますが、その構造は製品によって様々です。一般的に、紙の枚数が多くなるほど、詰まりのリスクは高まります。シングル(1枚)に比べて、ダブル(2枚重ね)、トリプル(3枚重ね)の製品は、同じ長さを使っても、流す紙の総量が多くなります。特に、近年の節水型トイレでは、少ない水量でこれらの厚いペーパーを流しきれず、詰まりを引き起こすケースが少なくありません。また、肌触りを良くするために、エンボス加工(凹凸加工)が深く施されていたり、保湿成分が配合されていたりする高級なペーパーも、繊維の絡み合いが強く、比較的ほぐれにくい傾向があると言われています。もし、あなたの家のトイレが詰まりやすいのであれば、一度、昔ながらの「シングル」のトイレットペーパーを試してみることをお勧めします。肌触りは少し劣るかもしれませんが、その分、水中で素早く繊維が分散するため、排水管への負担を大幅に軽減することができます。海外製の、特にデザイン性の高い輸入物のトイレットペーパーも注意が必要です。日本の厳しいJIS規格とは異なる基準で作られている場合があり、見た目はおしゃれでも、非常に水に溶けにくく、詰まりの直接的な原因となることがあります。また、コストを抑えるために、再生紙の割合が高い安価なペーパーを選ぶ方もいますが、製品によっては繊維が硬く、溶けにくいものも存在します。詰まりやすいトイレと上手に付き合っていくためには、「JISマーク」が表示されており、できれば「シングル」で、過度な加工がされていない、シンプルな製品を選ぶこと。それが、日々の安心を手に入れるための、賢い選択と言えるでしょう。
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冬の朝、洗濯機から水が出ないのは「凍結」が原因かも?
厳しい冷え込みに見舞われた冬の朝、洗濯をしようとスタートボタンを押しても、洗濯機が静まり返ったまま水が出てこない。もし、あなたが寒冷地にお住まいで、洗濯機を屋外やベランダ、あるいは暖房のない北側の洗面所などに設置している場合、その原因は、機械の故障ではなく、水道の「凍結」である可能性が極めて高いです。気温が氷点下になると、蛇口や給水ホース内部に残っていた水が凍りつき、氷の栓となって水の供給を完全にストップさせてしまうのです。凍結が疑われる場合、絶対にやってはいけないのが、焦って熱湯をかけることです。急激な温度変化は、凍結した蛇口の金属部品や、給水ホースの樹脂部品、さらには内部のパッキンを破損させ、水漏れという二次災害を引き起こす原因となります。安全に解凍するためには、時間と忍耐が必要です。まず、凍結している箇所が「蛇口」なのか「給水ホース」なのかを切り分けます。給水ホースを蛇口から取り外してみて、蛇口側から水が出なければ、蛇口が凍結しています。この場合は、蛇口にタオルを巻きつけ、その上から40〜50度程度のぬるま湯を、ゆっくりと、根気よくかけ続けます。ドライヤーの温風を、低温設定で、少し離れた位置から当てるのも有効です。しばらくして、チョロチョロと水が出始めたら、解凍が始まったサインです。一方、蛇口からは水が出るのに、ホースを洗濯機に繋ぐと水が出ない場合は、「給水ホース」が凍結しています。この場合は、ホースを洗濯機本体からも取り外し、お風呂場などに持ち込んで、ぬるま湯に浸しておくのが最も手っ取り早い解凍方法です。ホース内部の氷が溶け、水が通るようになったら、再び接続します。凍結を未然に防ぐためには、予防が何よりも重要です。天気予報で氷点下になることが予想される日の夜は、洗濯が終わった後に必ず蛇口を閉め、給水ホースを蛇口と洗濯機の両方から取り外して、内部の水を完全に抜いておく「水抜き」を行うのが最も確実な方法です。また、蛇口に保温材や古いタオルを巻きつけておく、といった対策も効果的です。冬場の洗濯機トラブルは、少しの工夫で防ぐことができます。