賃貸物件でトイレが故障し、管理会社に連絡したものの、業者の手配が翌日以降になる、あるいは修理に必要な部品の取り寄せに数日かかる。このように、トイレが使えない「空白の時間」が発生してしまった場合、私たちはどうやってその危機を乗り越えれば良いのでしょうか。特に、トイレが一つしかない単身者向けのアパートなどでは、これは死活問題です。パニックにならず、現実的なサバイバル術を身につけておきましょう。まず、短期的な対策として最も有効なのが、「近隣の公共トイレや商業施設のトイレを利用する」ことです。普段から、自宅の近所にあるコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア、公園、図書館、駅といった、24時間または長時間利用可能なトイレの場所を、いくつか把握しておくと、いざという時に慌てずに済みます。スマートフォンの地図アプリで「トイレ」と検索し、複数の候補をブックマークしておくのも賢い方法です。次に、夜間や、どうしても家から出られない状況に備え、災害対策用としても役立つ「携帯トイレ(簡易トイレ)」を、最低でも数回分は家庭に常備しておくことを強くお勧めします。吸水ポリマーで排泄物を固め、臭いを防いでくれる携帯トイレは、数百円から購入でき、精神的な安心感が格段に違います。もし、携帯トイレの備えがない場合の最終手段としては、大きめのゴミ袋を二重にして便器にかぶせ、その中に細かくちぎった新聞紙やペット用のトイレ砂、おむつなどを敷き詰めることで、即席の簡易トイレを作ることも可能です。また、詰まりではなく、タンクの故障などで「水が流せない」だけの場合は、お風呂の残り湯や、バケツに汲んだ水を、直接便器に流し込むことで、排泄物を流すことができます。この時、水しぶきが上がらないように、低い位置から、しかしある程度の勢いをつけて流し込むのがコツです。トイレが使えないという状況は、想像以上に大きなストレスとなります。事前にこれらの対策を知っておくだけでなく、管理会社に連絡する際に、「修理が終わるまでトイレが全く使えないのですが、何か代替策はありますか?」と、窮状を訴えてみることも大切です。場合によっては、近隣のホテル代の一部を負担してくれるなどの、何らかの配慮が得られる可能性もゼロではありません。