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ある朝、突然洗濯機から水が出なくなった私の奮闘記
それは、子供たちの汚れた体操服や、溜まりに溜まったタオルが山となっている、月曜の朝のことでした。週末の喧騒が嘘のように静まり返った早朝、私は「さあ、洗濯から一日を始めるか」と意気込み、洗濯機の蓋を開けました。洗剤を投入し、スタートボタンを押す。しかし、いつもなら聞こえてくるはずの、あの頼もしい給水の音が、いつまで経っても聞こえてきません。洗濯機は、ただ沈黙を保ったまま。一瞬、何が起こったのか分かりませんでした。ボタンを押し間違えたのかと、何度か電源を入れ直し、スタートボタンを力強く押してみましたが、結果は同じ。その瞬間、私の頭の中は「故障」の二文字で真っ白になりました。まだ買って5年しか経っていないのに、なぜ。修理にはいくらかかるのだろう。今日の洗濯物はどうすれば…。次から次へと湧き上がる不安に、私は軽いパニックに陥りました。しかし、ここで諦めてなるものか、と私は気を取り直し、スマートフォンの光を頼りに、まずは原因の究明を始めることにしました。最初に確認したのは、蛇口。これは固く、しかし確実に開いていました。次に、給水ホースの接続。これも、緩んでいる様子はありません。途方に暮れながら、私は「洗濯機 水が出ない」と検索し、表示されたトラブルシューティングの記事を片っ端から読み漁りました。そして、一つの可能性にたどり着いたのです。それは、「緊急止水弁の作動」でした。記事にあった写真と、我が家の蛇口を見比べると、ホースの接続部分から、見慣れない白いプラスチックの突起が、ちょこんと飛び出しているではありませんか。これが、ホースが外れたと勘違いして、水の供給を止めてしまった犯人でした。私は記事の指示通り、一度蛇口を閉め、ホースを外してから、その白い突起を指で強く押し込みました。そして、再びホースを接続し、祈るような気持ちで、蛇口をゆっくりと開けました。そして、スタートボタンを押すと…「ジャー!」という、その朝、世界で一番聞きたかった、力強い給水の音が、洗濯機から響き渡ったのです。あの時の安堵感は、今でも忘れられません。ほんの些細な知識の有無が、高額な修理費用と、一日の計画を左右する。この一件は、私にとって、家電との付き合い方を考え直す、良い教訓となりました。