トイレの水の流れが悪い時、「トイレ つまり 自然に治る」ことを期待して様子を見る人は少なくありません。しかし、この「待つ」という行為には、実は非常に大きなリスクが伴います。一時的な不便さを超え、住宅の構造や衛生環境、さらには健康にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。 まず、最も差し迫ったリスクは、完全に詰まって水が流れなくなり、便器から汚水が溢れ出す「逆流」です。最初は少しずつ流れていた水が、やがて全く流れなくなり、便器内の水位が上昇します。この状態で無理に水を流そうとすれば、汚水が床に広がり、床材や壁材の腐食、カビの発生、家財の損傷など、甚大な被害につながります。特に、マンションやアパートなどの集合住宅では、下の階の住人にも迷惑をかけることになり、賠償問題に発展する可能性も否定できません。 次に、衛生環境の著しい悪化です。水がスムーズに流れないことで、便器内に排泄物やトイレットペーパーが残りやすくなります。これにより、雑菌が繁殖しやすくなり、不快な悪臭の原因となるだけでなく、サルモネラ菌や大腸菌などの細菌が蔓延するリスクも高まります。特に夏場など気温が高い時期は、この傾向が顕著になり、健康被害に繋がる可能性も出てきます。 さらに、排水管への負担も無視できません。詰まりがある状態で無理に水を流し続けようとすると、排水管に過度な圧力がかかり、接続部分の緩みや管自体の破損につながる可能性があります。もし排水管が破損し、目に見えない床下や壁の中で水漏れが発生すると、発見が遅れて建物の構造材を腐食させたり、シロアリを誘引したりする深刻な事態になりかねません。そうなると、修理費用は高額になり、大掛かりな工事が必要となるでしょう。 「トイレ つまり 自然に治る」という期待は、これらのリスクを増大させる行為に他なりません。問題の根本解決を先延ばしにすることは、結果的にさらに大きなトラブルと出費を招くことになります。